大判例

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札幌高等裁判所 昭和25年(う)598号 判決

原判決挙示の証拠によると、その判示事実を認めるに充分であつて、原判決には毫も事実の誤認は存しない。尤も、原判決は、被告人の窃取した物件として、本件起訴状の公訴事実に記載されていない実印一個、現金五百円及び風呂敷一枚をも認定していることは所論のとおりである。しかしながら、審理の結果、本件のように同一日時場所において、同時に窃取した訴因明示の物件の種類数量に多少の差異を生ずるにいたつたような場合においては、訴因の追加又は変更をまたないでも、証拠に基ずいて被害物件の種類数量を認定することができるものと解するを相当とする。(中略)

(ロ) 控訴趣意中量刑不当の点について

被告人の原審第一回公判調書及び押収にかかる郵便貯金通帳によると、被告人は本件郵便貯金通帳を窃取した後、行使の目的で該通帳記載の金額を改ざんしていることが認められるのであつて、かような事情も亦刑の量定に当つて参酌せられるべきであり、この事情を原審が参酌したからといつて違法ということはできない。そうして、所論に考え、本件記録及原審において取り調べた証拠に現われている右事情及びその他諸般の情勢を参酌考察するも、原審がその認定の事実について、被告人を懲役二年に処したのはその量刑必ずしも不当ということができないから、論旨は理由がない。

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